大崩山と言えば見事な岩山の秀峰ですが、今回はそれを完全無視する形。
大崩山よりも、その裏手の谷を目指します。
登山地図を見てもいまいちよく分かりませんが、一旦大崩山山頂まで向かい、そこから谷底に下って、川を遡り、また尾根に登ってきて、また下るという流れです。
距離は約12キロ。
相変わらずの牛歩で、休憩時間も含め、11時間20分の山行でしたw
今回は22日の午後から北九州を出発し、
午後6時半に登山口へつながる林道に入りました。
荒れた未舗装路とは聞いていましたが、怖すぎでした…。
写真は別にたいしたことのないダートですが、本当にやばい場所は写真なんて撮っていられませんでした(汗) 雨水でえぐられた路面にタイヤがハマりでもしたら確実に抜け出せません…。アクセルを切らさないように、ハンドル操作を誤らないように慎重に慎重に。四駆なら余裕なのでしょうが、タウンのエースは飛び跳ねながら、私は冷や汗をかきながら進みました。やっぱりダートは何度走っても慣れないな〜。
なんとか無事に駐車場に到着!
今宵はここでキャンプ☆
本当にタウンのエースは最高だなぁw
そして夜になるのも早く、あっという間に真っ暗に。深い闇の中に私と綾華さん二人きり…。少し怖い気がしましたが、タウンのエースの外に出て空を見上げると、満天の星空! あぁ、すごい…。登山口に近い別の駐車場があったのですが、空のひらけ方がこちらの駐車場の方が断然良かったので選びましたが、大正解でした。
二人で星空を眺めながら、BGMに佐倉紗織様のLuminaを流したりしてうっとりと。流れ星も二つ見れました。あぁ、幸せすぎる…。
そして明日の登山の準備を済ませ、午後9時に就寝。
涼しい山中で、畳敷きの車内で快適に眠れました。
…
「それではいよいよですね! 張り切って参りましょう☆」
よっしゃー! 綾華さん、今日はお付き合いよろしくお願いいたします!
夜が明け、午前5時40分行動開始! まずは林道を進みます。
途中でリュックを背負い直したり色々して、
午前6時10分、いよいよ山中へ!
まずは木々に覆われたオーソドックスな山道を、登りオンリーで進みます。
無駄な物を詰め込んだフル装備に、早々にばて気味です。
「さぁ尾根に出ましたよ! と言っても、登りは続きますし、
あまり景色もひらけていませんね。」
二か所だけ、木々が途切れて少し景色がのぞける場所がありました。
とは言え、やはり尾根道を歩くのは気持ちが良いですね。
「午前8時半、縦走路分岐点に着きました。ここまでで2時間半ですね。
登山地図には目安は1時間半と書いてありますよw」
どう考えても無理だよ! どんなビッグフットだよ!
そして午前8時40分!
「大崩山山頂に到着です♪」
山頂はこんな感じに木々に囲まれ
景色も全く開けず、面白くもなんともないというー。
初っ端の大崩山のムービーからは想像できない、とてもつまらない山頂ですw
今回のルートは、ただ大崩山の山頂に行くだけの、様々な見どころを全てスルーして向かう全く面白味の無いルートです。今回はこの山頂が目的地ではないので選びましたが、本当に何もない登山ルートでしたw
山頂のやや手前の”石塚”に戻り、ここで休憩です。
こちらは大きな石がごろごろ突き立っていて、景色も開けています。
んー、ちょっと雲が出てきたかなー。
「あの奥の岩山なんかが、大崩山登山の見どころなのでしょうね。」
なるほどなー。今回は完全に裏側から登ってるもんなぁ。
「しかし、ここからの眺めは素晴らしいですね☆」
おー! これはいい!
山頂の代替え地という感じに、とても雄大な景色を眺めることが出来ましたw
いやー、やっぱり祖母傾山系はカッコいいよな〜
午前9時40分に休憩を終え、石塚から再出発!
三差路まで戻り、そこからもちだ谷分岐へ。そして谷底へ〜。
うっわー…
分岐点の入り口からして人があまり通っていないような雰囲気でしたが、
これは…。ごろごろ岩の谷下りルートでございました。
登山ルートのマーカーがあるにはあるのですが、場所が場所だけに非常に見つけにくく、適当に進んでいたら「あ、マーカーあった! こっちで正解やーんw」という感じです。
とにかく足場が悪いので、慎重に下りました。
転ぶこともなく無事に下れましたが、時間かかっちゃったな〜。
「岩谷が終わると、急に開けた歩きやすい道になりましたね♪」
あーこりゃいいw ものすごく気分よく緩やかな下りを進みます。
左手に途中から沢が現れました。
水が地中から姿を出しはじめた場所を見るのは感慨深いです。
「木々から差し込む日の光が本当にきれいで…。こんなに明るくて
歩きやすい場所があるなんて、思ってもみなかったですねw」
本当にねw あー心地よい!
ルートマーカーは沢を進めとなっていましたが、少し沢から離れ、
歩きやすい場所を進みました。
そして現れ始めた美しい岩と水の絵画!
これこれこれ! こういうのを見に来たんだよ!
今回の目的地の権七屋谷は更に圧倒的に素晴らしいようなので、
期待に胸が躍ります!
さて、もちだ谷分岐から谷底へ下り、
どれが大滝なのかよく分からないまま通り過ぎ、
「午前11時半、もちだ谷吐合、金山谷へ抜けました☆」
うっしゃー。割と予想通りの時間かなっ。
ゴロゴロ岩谷を下るのに結構時間を食ってしまいましたが、まだ大丈夫!
「ここからは川を遡るルートですね。」
山道から川に下り、川を進みます。
ああ、なんて清々しいんだろう…
川幅全体を水が流れているような場所は殆どなく、流れに合わせて右岸と左岸を行き来しながらのんびり進みます。傾斜もなく、もう最高でした! 渡る時に何度か足を水に突っ込んでしまいましたが、気温のせいか、あっという間に乾いて無事でしたw しかしなぜかここの写真が少ない…。なんでちゃんと撮っていなかったんだよ私ぃ〜!
30分ほどで中瀬松谷との合流地点に到着。
ここから川の様子が変わりました。
「まぁ、見て下さいご主人様!」
きたー! これだよ! こういうのが見たくてここまで来たんだ!
そっかー、ここから滑岩エリアなのかー!
水の浸食を受けてつるつるになった岩が連なります。
あぁ、すごい、すごいなぁ!
はぁ〜www
「一旦途切れましたね。さぁ、この先が目的地の権七小屋谷です。
もう一息頑張りましょう!」
そしてついに…
「午後12時55分、遂に目的地の権七小屋谷の合流点に着きました!」
ばんざーーーーーーーい!
いやーよく歩いたーーー!
「お疲れ様でした☆」
綾華さんも本当にお疲れさま! やったー! よっしゃー、休憩ー!
はあ〜☆ 癒される〜☆ 最高の空間だ〜☆
「しかしネットで見た写真とどこか違うと言いますか…。
あ、水量でしょうか。幾分少ない気がしますね。」
あー、それか〜。ちょーっと物足りないなと思っちゃったのは。
「とは言え、すごく素敵な場所には変わりありませんねw」
だね! あーもーここでこのまま寝ちゃいたいね!
山の気と水の清々しさで満たされ、浄化されていくよ! ひーりんぐぅ!
…
興奮していて、ここで撮った写真は結構微妙なものが多くて、
魅力を全然表現できていませんでした。くそぅ、こんなもんじゃないんだ!
え、達成感補正? 実際もそんなもん? うん、それはあるかもですw
まぁとにかく、時間をかけて行った事に後悔はない場所でした☆
「さぁそれでは出発いたしましょう。午後5時に駐車場が目標ですよ。」
1時間たっぷり休憩し、よっしゃー! いくっぜー!
さて、北東から登山道を南下するわけですが、赤丸で囲んだ部分がどうにも岩ごろ谷の様な気がしまして。登山アプリのジオグラフィカを見ながら、登山道ではない道を進み、隣の尾根を走る登山道へ移りました。本当にこのアプリは便利だなぁ。
しかしこの坂道の急な事!
地面が落葉でふかふか過ぎて埋まるような感じで登り難いですが、あの岩ごろごろよりははるかにマシだぜ! 少し登っては息切れして休憩を繰り返します。はひー!
「午後3時、尾根に無事に出ましたね。ふふ、お疲れ様でした♪」
はひはー! いやー頑張った! すっごく頑張ったー!
体力が消耗してきている所にこの登りは最高にこたえました><
ちなみに途中、ずっとヘリコプターが頭上を飛んでいました。まさか母が連絡したんじゃ…と考えてしまいましたw ずっと追跡されてる様な気がしましたが、救助要請とかした人と間違われてるんじゃないかなーとか。ここまで誰一人としてすれ違うことが無かったのでちょっと心配ではありますなー。
さーあとはここを進んで、登りに使った登山道に合流するだけ!
いくぞ!ウーラー!
「午後3時半、合流点に来ましたね。すごく順調ですよ。」
よっしゃー!
そして登りに通った登山道を進んだのですが、あれ、こんなに距離長かったっけ?という感じで、とうとう最後には膝に痛みが出てしまいました。えーい耐えろ!歩くんだ、慎重に、でも急いで進むんだ!
そして午後4時50分、登山口へ到着!
そして急いでタウンのエースのもとへ!
「午後5時ちょうど! 那智南夢軍団山岳作戦隊、
大崩山裏谷散策ミッション、クリアです!」
ばんざーい!ばんざーい! 綾華さん、本当にお疲れ様でした!!!
そして本当にありがとう!!!
と、登山終了の達成感に浸る暇もなく、急いでタウンのエースに乗り込み、移動開始!
そう、荒れたダート林道を抜けるまでは喜んではいられないのです…。午後5時下山というリミットも、ダート林道を問題なく走れる明るさが維持される時間でした。もし暗くなってしまったら、山中でもう一泊というつもりでした。
かくして無事に林道を抜け、集落の駐車場でようやく一息。ふーーーー。荷物を整理したり着替えたり、ここでようやく1時間ほどの休憩しました。これで本当に今日の登山終了! やったー!
今回の『大崩山散策:権七小屋谷を目指せ!』は本当に楽しかったです。割かしハードではありましたが、全てが順調に計画通りにいきました。また、誰一人としていない深い山中を進むのは、冒険そのものでした。スマートフォンのアプリとGPS機能あってこその、安全安心な冒険ではありますけれども、最高に充実した山行になりました。ほんっと楽しかった! でももうあの荒れダート林道を走りたくないから、二度と来ないぞー!(笑)